テレビのニュースなどを見ると「外国人は嘆き方も喜び方も大きいなあ~」と思ったことがあるかと思います。
確かに彼らに比べて、日本では悲しい目にあった被害者が身も世もなく泣きくずれたり、罵ったりしている場面は少ないでしょう。
とはいえ、日本人の感情が希薄なわけではありません。
感情をどこでどのように表わすかは、その土地土地の文化や風習によるものが大きいのです。
「共感」とは、他人の状況や気持ちに、まるで自分のことのような実感がわき、そこに自分と同種の仲間がいることを感じとること…
人は誰かに自分を知ってもらいたい、認めてもらいたい、理解されたいという強い「承認欲求」があるのです。
他の人に認められ、理解してもらえることは、自分に自信が持てることにつながりますからね。
人は自分を認めてもらうために、自分からはたらきかけをします…
たとえば、自分がやさしいと思っている人は、ことさら他人にやさしくするのです。
その結果、「やさしい人だね」と言われて、自信を持つ…
これを心理学では「自己確証フィードバック好意」といいます。
人が自信をもって生きていくためには、他人が必要なのです。
友だちや仲間が必要なのは、そういう意味もあります。
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カップルが映画を見て、二人で共感しあうこともあれば、テレビドラマの主人公の気持ちに共感する人は何万人もいるでしょう。
さらに社会の不正に対する怒りを共感する人は何十万人もいるかと思います。
その仲間はみんな「もうひとりの自分」であり、「自分を認めてくれる人びと」なのです。
しかし、一方では、他人に共感を持てない人がいます。
こういう人は、「自分はそもそも認めてもらえるような人間ではない」と思っていたりするのです。
つまり、自分に対する自己評価が低いということ…
「どうせ自分なんか、認めてもらえない、好かれない。自分の言動や感情には、誰も共感するはずがない」と思いこんでいるのですね。
共感を期待しないから、感情を表現することも、自分の考えを話すこともあまりありません。
つまりは孤独な人となってしまうのです。
心理学者ジョーンズらの実験によると、孤独感の強い人は、異性に対しても関心が薄く、むしろ否定的という結果が出ました。
孤独な人は、異性だけでなく、自分自身にも、人にも、社会にも否定的なのです…
それでは、ますます孤独になっていくしかないのかもしれません。
しかし、たいていの人は孤独のループに入り込まないのです。
親しい人がいない状況では人は自然に「親和欲求」が高まるからです。
知り合いがほとんどいない大学の新入生や新入社員などは、そのよい例でしょう。
彼らは知りあって何日もたたないうちに、ゆるやかなグループをつくり、おたがいを認識し合います。
知り合って間もない時期は、「親和欲求」が大いに高まる時期…
自分をアピールする気合いも、相手に共感する能力も出し惜しみしないのです。
そして、いずれは自分を認めてくれる者どうしが集まっていきます。
しかし、社会に出れば、好きな人ばかりと付き合うわけにはいきません…
だからこそ、積極的な姿勢、思考は常に心がけたいものですね。
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