人は自分の都合の悪いことになるとつい言い訳をしたくなるものです。
しかし言い訳をすることに良い事はありません。
言い訳をする時は、楽に感じるかもしれませんが、それを続け、積み重ねていくと、後々空っぽな自分自身に虚しささえ覚える事になるでしょう。
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言い訳をしない事と引き換えに得られるもの
舞台美術の仕事をしていた男性が、暗い顔をして友達へ相談しました。
彼は人生に疲れきっており、ニューヨークで孤独な生活を送っていました。
「もう自分では手に負えません」と彼は訴えるのです。
自分の年齢を言い訳にして、二度と映画界では仕事ができないでしょうね、と嘆く彼は、自分を人間失格だと思っていたようです。
「もう私は、いい年になってしまったから」
と嘆く彼に向かって、友達は最後にもう一度勝負するようにと励ましました。
「年齢がいきすぎて遅いなんてことはないよ」
幸いなことに、彼は友達の励ましによって再びチャレンジする決意をし、実際に映画界からお呼びがかかる幸運に恵まれました。
相談を受けてから数日後、彼は白くなった髪を染め直し、新しいスーツに、シャレたネクタイをしめて友達のもとを訪ねてきたのです。
彼は颯爽とした歩き方をし、少なくとも15歳は若返っていました。
「びっくりするようなチャンスが巡ってきた。私はこれから西部劇のセットをつくりに行くんだよ。」
「私は若くないから」
「私は学歴がないから」
「私はお金がないから」
言い訳をするのは、とてもやさしい。
自分にとって都合のいい理由を見つければ、行動しなくても許された気分になれます。
だから、必死になって、言い訳を探している人がいるかもしれないのです。
言い訳の常習者は、自分の言い訳がいかに正当であるかを語ります。
そして、「ああ、自分がもっと○○なら、どんどん仕事ができるのに!」などと語るのです。
いったん、うまい屁理屈を見つけると、彼らは将来もずっとそれを使いつづけます。
それは使い慣れた道具のようなものになり、困ったときにはいつもその道具に頼ってしまうようになります。
しかし、言い訳をしているうちは、人は進歩することができません。
先ほど紹介した舞台デザイナーは、「年をとりすぎている」という、もっともらしい言い訳を見つけてしまったおかげで、長らくつらい思いをしました。
また、言い訳は他人を騙すのにとても便利なシロモノです。
しかし、肝心の自分自身は騙せません。
本気を出していないのは、自分が一番よくわかっているからです。
言い訳をするのをやめましょう。
自分を騙すのをやめましょう。
言い訳をやめると、最初はつらいかもしれないが、胸のつかえがおりたようにスッキリし、新しい自分に生まれ変わるための準備が整ったことになります。
「できません」とか「やれません」という言い訳をしているうちは、本当に何もできるようになれません。
言い訳は、全力で何かを成し遂げようとするエネルギーを、すべて奪い取ってしまうからです。
言い訳の名人は、わざと手を抜いて全力を出さないこともあります。
怠けていると、能力や技術はますます身につかなくなります。
それは悪循環になりやすく、「負けっなしの人生」になりやすいのです。
頑張ればそれなりに自分の能力を高められるはずなのに、言い訳をしていたほうがずっと楽なように思えて、それをしないのです。
友人のレス·ブラウンは、小さい頃に読語障害がありました。
しかし、ブラウンは、「私は字が読めないから」という言い訳をせず、苦しみながらも一生懸命に努力をして本を読みました。
挑戦する前から諦めるのがイヤだったのでしょう。
現在、彼は無類の読書好きで、自分でも何冊もの本を著しています。
言い訳は自分の潜在的な可能性をどんどん小さくします。
それを心のどこかで覚えておき、ちょっとした言い訳が頭に浮かびそうになったら、すぐに打ち消す努力も大切でしょう。
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