ローマ教皇の選出はどのようにするのかをご存知でしょうか?
今回はローマ教皇についてのお話をご紹介します。
ローマ教皇の選出はどのようにするのか?
ローマ教皇とは、キリスト教の最高位聖職者の称号です。
このローマ教皇は「法王」とも呼ばれ、この世におけるイエス・キリストの代理者という立場のほか、ローマ司教、使徒・聖ペトロの後継者、全カトリック教会の首長、西ヨーロッパ総大司教、イタリア首座大司教、ローマ管区大司教および首都大司教、バチカン市国主権者の要職にあります。
呼称としては「パパ(Papa=英語読みではポープPope)」が用いられていますが、この呼称は本来聖職者一般の敬称であったのが11世紀以降、教皇グレゴリウス7世によって、教皇のみを示す名称にされたものです。
初代の教皇は、イエス・キリストが、「この岩の上にわたしの教会を建てる」(マタイによる福音書」)といわれてそれを委嘱された十二使徒(直弟子)の長的立場にあった聖ペテロです。
現教皇フランシスコは、そこから数えて266代目の教皇ということになります。
教皇の職務はきわめて繁忙で、世界各地からの訪問者の接見、世界各地のカトリック聖職者との会見、教皇庁(教皇を中心としたカトリック教会行政の中央政庁)の指導責任、回勅・声明などの発信、礼拝参列信徒への祝福、世界各地への訪問、書信への応答などがあげられます。
教皇は選挙によって選ばれます。
この選挙権と被選挙権は、14世紀後期以来、実際上枢機卿(教皇が任命し、教皇を補佐する高位聖職者。全世界で百名を超える枢機卿が任命されている)が独占しています。
教皇選挙会は、ラテン語でコンクラーベ(鍵の意)と呼ばれていますが、それは選挙が行なわれている間、選挙会場への外部の干渉を遮断するため鍵をかけることに由来します。
新しい教皇選挙は、先代教皇の死後15日ないし18日以内に、80歳以下の全枢機卿を招集して行なわれます。
教皇選挙は、システィナ礼拝堂で投票によって行なわれますが、教皇決定には、投票数の3分の2プラス1票(ブラス1票とは、自分に投票する場合の無効票を除くという意味)の規定得票を必要とします。
この結果は、投票用紙を焼却する煙の色によって、サン・ピエトロ広場に参集している教徒に知らされます。
黒の煙ならば未決、白の煙が上がれば決定です。
新教皇の戴冠式はサン・ピエトロ大聖堂で行われ、戴冠はサン・ピエトロ大広場に臨むロビーで挙行されます。
教皇在位の年数は、この戴冠式の日を起点にして計算されます。
バチカン市国は面積約44平方メートル、人口約1000人という世界最小の独立国家です。
5世紀の西ローマ帝国滅亡以後、ローマを中心として広大な教皇領(ペテロの遺産と呼ばれる)を所有していましたが、イタリア王国誕生後の1870年、現在の領土以外を失いました。
しかし20世紀に入って、世界で約10億人の教徒を有するバチカンの国際的地位がますます高まり、世界の宗教的リーダー役を遺憾なく果たしつつあります。
そして、その推進役を現教皇が先頭に立って果たしているところです。
この記事へのコメントはありません。