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ゾロアスター教の教えと神の名について

古代ペルシアを起源の地とする善悪二元論的な宗教…
ゾロアスター教をご存知ですか?

日本では馴染のない宗教ですが、紀元前6世紀頃より成立していたとされる歴史ある宗教なのです。
ここでは、そんなゾロアスター教の教えや神の名についてご紹介しておきましょう。




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ゾロアスター教の歴史


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ゾロアスター教は、ゾロアスターを開祖としてイランで創立された民族宗教です。
ゾロアスター教の伝承によると、開祖ゾロアスターは紀元前7世紀の後半から6世紀にかけて生を受けたとされますが、その年代については、諸説があり定かではありません。
ゾロアスターの名はイラン語ではザラトゥストラといい、そのギリシャ訛りのゾロアストレスが英語化して、ゾロアスターと呼ばれるようになったものです。

ゾロアスターは西北イラン(現・アゼルバイジャン共和国)で生まれました。
20歳の頃から、両親の許しを得られぬまま彷徨の旅に出て隠遁生活に入り、30歳の時に次のような天啓を受けて預言者となりました。

春の季節祭を祝う日の夜明けに近い時刻、ゾロアスターは儀式に用いる水を汲むために近くの川に出かけました。
水を汲んで引き返そうとした時、土手に光の神が現われ、その光明に導かれて天上の最高神アフラ・マズダ(賢明なる主なる神)の世界に到達しました。

ここで神々の大光明に包まれたゾロアスターは、己の魂が開かれるのを覚えたのです。
このような経験を幾度か重ねたゾロアスターはアフラ・マズダによって神に仕える預言者に選ばれ、その教えを広める役を与えられました。

この意味からゾロアスター教は、最高神の名に因んで「マズダ教」とも称され、また最高神を象徴する祭壇上の聖火に由来して「拝火教」とも呼ばれています。
ゾロアスターはその後、伝道に力を尽くしましたが、イラン中心部ではミトラ教などのイラン在来の宗教に阻まれて受け入れられませんでした。

そこで42歳の頃、東方に赴きバクトリアの大守ヴィーシュタースパの帰依を得て、ようやく足場を固め、念願のイラン全土への教えの普及が実現しました。
イラン中心部からさらに周辺のアルメニア、バビロニアなどにも帰依者の輪を広げることに成功しましたが、77歳の時、バルフで侵入者の遊牧民トゥラン人の攻撃を受けて死去したと伝えられています。

その後、イランのササン朝(226~651年)時代にはゾロアスター教が国教の地位を確立し、その指導者(首位聖職者)は王に次ぐ地位を得るまでになりました。
この頃、ゾロアスター教の聖典『アヴェスター』の編纂(最後の編纂)やその注釈書、神学書が著わされています。

7世紀に入ってイスラーム教徒がイランに侵入すると、ゾロアスター教はイランにおいて急激に衰退の道をたどることになりました。
一方、北魏の頃中国に伝播したゾロアスター教は、唐時代に祅教と呼ばれました。

イラン系住民を中心に各地で祅廟・祠堂がもうけられるなど、一時さかんな信仰を保っていましたが、唐末以降は教勢が衰えています。
現在、ゾロアスター教は少数宗教となり、インドでパーシーと呼ばれて推定約12万人の信徒がいるほかは、イランと西アジアに在住しています。




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ゾロアスター教の教え


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ゾロアスター教の教えは、イランのササン朝ペルシア時代に最終的な編纂がなされたといわれる聖典『アヴェスター』に教示されています。
『アヴェスター』の成立年代は正確にはわかっていませんが、内容からすると開祖ゾロアスターの教説をそのまま伝えたとされる部分に暗誦伝承されたものが加えられ、4世紀から6世紀にかけて、文字によって最終的に編纂されたと伝えられています。

聖典『アヴェスター』は、「ヤスナ(祭儀)」、「ヴィーデーヴダート(除魔法・戒律)」、「ホルダ・アヴェスター(祈禱賛歌)」などからなっています。
開祖の教説と死後作成された部分が含まれ、「ヤスナ」の一部である「ガーター(韻文・偈)」に、開祖が直接説いたとされる神の啓示や説法が示されています。

現在残されている『アヴェスター』は最終編纂当時の4分の1の量で、残りの4分の3は散逸したといわれています。
ゾロアスター教の特徴は、創造力をそなえる善悪両神の闘争と終末、人間の霊魂の運命の判定などにあります。

光明・生命・清浄を象徴する最高神アフラ·マズダと、暗黒・死・不浄を象徴する悪神アングラ・マイニュの二大神とその眷属である諸神(七大天使と七大鬼神がその代表)の存在を説き、この神々の闘争によって常世の歴史が構成されると教えています。

そこで悪神による誘惑、不善、攻撃、破滅などから身を守り、すべての悪行を排して善神に従っていくのが真実のゾロアスター教徒の務めであるとされます。
また、アフラ·マズダが人間を創造した時、人間に行動の自由を与えたため、善悪に対する主体的な「選択」は個人に委ねられており、それだけに個人の責任が重視されています。

つまり、善の堕落が悪ではなく、善と悪は本来独立した別の存在であるため、悪に与することは悪神に奉仕することであり、善の仲間入りをすることは善神の側に立つこととされているのです。
個人の善悪の選択の結果に対する判定は、死後になされます。

人間が死ぬと「肉体」と「魂」が分離し、「魂」は3日間、死者の頭の近くに留まります。
4日目の朝に「審判の橋(チンワトの橋)」で善と悪が厳正に量られ、死後の魂の運命が決定します。

この運命の決定は、生前の行為のすべてを書きとめた「生命の書」にもとづいてなされます。
判定を受けた魂は天上の楽園と劫火の地獄とに分かれますが、善悪が等しい魂はハメースタカーン(浄罪界)に留まり、最後の審判の時が訪れるのを待つことになります。

ゾロアスターは最高神が世の終末に際して「火を用いて審判を行なう」と見なしています。
そこで聖火をアフラマズダの象徴として崇め、火を通して最高神に祈りを捧げ、また信徒の屍体は悪魔から守るため「沈黙の塔」に放置して、鳥や野犬の餌食とする鳥葬を用いています。




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