最近の若い人や若い人が多い会社・組織ではあまりなじみがないかもしれません。
しかし一昔前までは、宴会などの終わりには「手締め」を行うのが一般的でした。
それでは、宴(えん)もたけなわではございますが…
と幹事が挨拶をし、「それではお手を拝借(はいしゃく)!」という光景が良く見られたものです。
さて、この「手締め」…
自然とやっていましたが、これにはどんな意味があったのでしょうか。
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なぜ宴会の最後には「手締め」がお決まりなのか?
毎年、11月の酉の市では、威勢のいい声が響きます。
「では、お手を拝借。よおうシャシャシャン、シャシャシャン、シャシャシャン、シャン」
これは縁起熊手の売買成立を祝って、売り手と買い手が行う手締めです。
酉の市に限らず、私たち日本人はよく手締めを行います。
証券取引所の大納会も盛大な手締めで終わりますし、式典やパーティ、宴会などでも、よく手締めをする光景を目にします。
「三・三・三・一」のリズムで手を打つのが一本締め、一本締めを三回繰り返すのが三本締めです。
最近では、「よぉう、シャン」だけで終わる一丁締めもよく見受けられますが、祝い事はやはり一本締めか三本締めでなければしまりません。
手締めは、揉め事を和解する「手打ち」に由来するといわれています。
物騒な刃物などを持っていないことを示すために、パンと手を打ち、両手を広げてみせたことから、仲間として打ち解けたいときや、結束を固めたいときに手を叩く手締めの儀式が行われるようになったのです。
「三・三・三・一」のリズムにも意味があるといわれています。
「三」を三つ重ねると「九」になり、そこに「シャン」ともう一回を打つと、漢数字の「九」に点を加えて「丸」になり、「すべて丸く納めましょう」という願いが込められているというのです。
三回繰り返すのは、舞台が終わった後に客席に向かって挨拶する三方礼(右、左、中央に頭を下げる)と同じで、その場のみんなに「ありがとうございました」と謝意を示すものです。
手締めの前の「よおう」という掛け声は、「祝おう」が転じたもので、皆でそろえるための合図でもあるのです。
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