京都市上賀茂神社(賀茂別雷神社・かもわけいかづちじんじゃ)で行われ、神社に今も残る豊作を祈願する儀礼…
土解祭(ごげさい)はご存知でしょうか。
土解(ごげ)とは、「凍りついた土が解けること」を意味ます。
つまり種蒔(たねまき)の時期が近づいている事を暗示しているのです。
そのため土解祭ではその年の稲種を占ったり、豊作を祈願するのです。
また京都市上賀茂神社本殿の細殿で占いやお祓いの神事が行なわれます。
今回は、2018年の京都市上賀茂神社で行われる土解祭についてご紹介します。
祭事名:土解祭(ごげさい)
開催場所:上賀茂神社(賀茂別雷神社) ※京都市北区上賀茂本山339
開催日時:2018年4月3日(火)午前10時~
お問い合わせ:上賀茂神社
TEL:075-781-0011
アクセス:
京都市営地下鉄「北山」駅下車、徒歩25分
駐車場:上賀茂神社駐車場 ※上賀茂神社一の鳥居西側にある収容台数170台
京都市上賀茂神社で行われる土解祭(ごげさい)について
春を迎え、冬の寒さに凍てついていた土が、暖かくなった陽気の中で解けだし、播種(はしゅ)の時期が近づいていることを土解(とげ)といいます。
土解祭(とげさい)は、土地の災いを祓い、その年の豊作を祈願する、京都洛北の上賀茂神社(賀茂別雷・かもわけいかづち)神社 京都市北区上賀茂本山)の重要な神事の一つです。
ちなみに土解祭、水口祭、土解祭の神事が伝わる神社としては、京都洛南の伏見稲荷大社(京都市富伏見区)があります。
4月12日は神田で栽培される種籾(たねもみ)を苗代に蒔く神事「水口播種祭」が行われます。
水口祭が伝わる神社には水口神社(滋賀県甲賀市)があり、4月20日には巡行祭「水口曳山祭り」が行われます。
さて、京都市上賀茂神社で行われる土解祭(ごげさい)ですが…
午前10時から本殿で豊作祈願祭が営まれたのち、細殿(ほそどの)前の土の上に神官が座り、ト占(ぼくせん)によって占われたその年に蒔く稲の種類が書かれた文に目を通します。
そのうち、稲と弓を持って参道横の芝生に向かい、弓を使って選ばれた稲種のお祓いをし、それを籠に入れて境内を回ります。
そしてその年に蒔く種籾(たねもみ)の早稲(わせ)、中稲(なかて)、晩稲(おくて)の吉凶を占い、豊作とでた籾種を神田に蒔き、豊穣を祈願します。
そもそも土解祭は、水口祭(みなくちさい)の一種と考えられる豊作祈願神事です。
水口祭は、田の苗代に種籾を蒔く日に、稲の無事な発育と豊作を祈願して、水を取り入れる水口のかたわらに、榊(さかき)などをさして、依代(よりしろ)とし、田の神を迎え、稲の開花と豊作を祈る種蒔き神事です。
最近では、農作業の機械化などで土解祭、水口祭の風習もみられなくなってきました。
京都市上賀茂神社で行われる土解祭、機会がある方はぜひ一度参加してみてはいかがでしょうか。
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