ジャイナ教をご存知でしょうか?
日本国内には兵庫県神戸市中央区に寺院があるインドの宗教です。
聞いたことない、という方も、聞いたことはあるけど詳しく知らない、という方も、この機会にぜひ学んでみませんか?
それではジャイナ教について一緒に見ていきましょう!
ジャイナ教の創始者とその歴史
ジャイナ教は紀元前5世紀頃、中インドのマガダ国を中心に教化活動を展開したマハーヴイーラによって開創された教えです。
その時代、教化の地域、思想の範疇は仏教の開祖釈尊とかなり近い関係にありましたが、ジャイナ教はインドの民族宗教に留まっています。
マハーヴィーラは紀元前5世紀の初頭、古代インドの6大都市の一つ、ヴァイシャリーの近郊で武士階級の一家に生まれました。
名をヴァッダマーラといいます。
マハーヴィーラとはその尊称(偉大なる英雄)で、また煩悩を断絶して解脱を達成した者という意味で「ジナ(勝利者)」とも呼ばれています。
ジャイナ教の名は、このジナにもとづくものです。
結婚して長女をもうけたマハーヴィーラは両親の死後、兄の同意を得て財産を処分して出家します。
裸行による修行を実践したあと、12年以上におよぶ遊行(行脚)生活を送り、ジャンピヤガーマ近郊で悟り(一切智)を得たとされています。
そして、マガダ国の首都・王舎城(ラージャグリハ)を中心に教えを広め、王侯階級をはじめ多くの信者を獲得しました。
マハーヴィーラは72歳でこの世を去ったと伝えられますが、その教団はマハーヴィーラ存命中から、女婿ジャマーリによる分立があったとされます。
さらに2世紀頃には裸行派(完全な裸行を主張する派(空衣派ともいう)と白衣派(白衣のみの着用を認める派)に分裂し、ジャイナ教としての聖典の存否に関して、大きく主張を異にしています。
裸行派は聖典を失われたものとし、白衣派は現に保持している聖典を正当なものと主張しているのです。
ジャイナ教の教えによると、この宇宙は5つの基本的実在体によって構成されると説かれています。
それは、動と静の原理、空間と物質、霊魂の5つです。
また霊魂には、地・水・火・風・動物 植物の6種があって、増減がなく、輪廻転生を繰り返すものとされます。
しかし、霊魂に付着している物質(業物質)が解脱を達成して除去された時は、輪廻の束縛を離れて理想世界に安住することができます。
この理想の境地に達するためには、禁戒をよく守り、苦行を実践することが必須の条件です。
ジャイナ教の戒律は、大別すると「大ふの禁戒(誓戒)」に分けられます。
大禁戒は、出家者が遵守すべき戒、小禁戒は在俗信者の戒ですが、その内容は仏教の五戒と同様、人の踏み行なうべき道を教示したものです。
大禁戒で最も重視されるのが「不殺生」の戒です。
食物も、土の中で生産されるものは地中の生物を殺生することがあるため口にせず、また呼吸をする時に小さな虫を吸い込まないよう口や鼻を覆う大きなマスクを着用し、水を飲む時も歩く時も細心の注意を払っています。
日常の食事のパターンとして、厳格なジャイナ教徒は、誤って虫を殺さないように、火を使って調理することを避け、また調理と食事は日中(手元の明るい時間帯)に済ませます。
また、ジャイナ教では、断食がしばしば行われます。
料理の特徴としては、生物全般が食材に使えないため、豆類、葉野菜と茎野菜(根菜以外)を中心とした食事になることが多いのです。
ジャイナ教は徹底した出家主義を堅持したためインド国内に留まりましたが滅びることなく現在も約300万人の信徒を擁しています。
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